ダンボール一箱分の1年半

jちゃんにようやく荷物を送った。当初は長々と想いの丈を綴った手紙を書きたいと思っていたけど、わたしは気分屋だし、何を今更綴ることがあるのかと、とんでもなく痛いような気もするし、でもこの期に及んで痛いもクソもあるのかとか思ったりしたら、どんどん時間が過ぎて、さらに怒らせてしまったりもして、とうとうもう会えないんだろうなというところまでいってしまった

だからこそ、さっさと送らねばという気持ちにもなった。

ダンボールを取りに行くのが面倒で、郵便窓口の時間ギリギリになってしまった。今日送ろうと決めたときから手紙をギリギリまで悩んだ

そもそも書くか、書くなら何を書くか

jちゃんの荷物はちょうど大きめのダンボール一箱分だった。

この時点であと5分くらいで家を出ないと窓口が終わってしまいそうで、あんまり考える時間はなく、でもとりあえず手紙は書くことにした

長々書くのはなんかもう違う気がする、でもわたしの伝えたいことってなんだろう。終わってしまった恋に、今更いい顔をしても

最初の手紙は、嫌な気持ちにさせてごめんねって書き出しにして、3〜4行書いたけどやめた

嫌な気持ちにさせている本人が嫌な気持ちにさせてごめんねって書いてる時点で嫌な気持ちになりそうだ、というかjちゃんはそもそもわたしからの手紙なんて1mmも望んでない

くだらないこととか意味のないことならいくらでも話せるのに、どうしていつも一番何かを伝えたいときに言葉が出ないんだろう

この前の送別会もそうだった、周りも相手も気にしてくれたのに、どんな言葉も陳腐な気がして、言葉が出なかった

わたしの気持ちにあてはまる言葉が無かった

jちゃんに対しても、あてはまる言葉が無かった

結局、遅くなってごめんねとありがとうの2行しか書けなくて、封筒に靴下が片方しかなかったことを書いた

ダンボールを抱えて郵便局に走るわたしは、もうこれまでみたいにくだらない話を聞いてほしいと思っていない

 

jちゃんは手紙を読まない気がする